保険診療

粉瘤(アテローム)atheroma

どんな病気?

粉瘤とは、良性の皮ふ腫瘍の一種です。
何らかの原因により、皮膚の内部に皮膚と同様の構造をもった袋ができ、内部に角質(皮膚の垢)が溜まっていく状態です。

原因としては外傷やウイルス感染が考えられていますが、ご本人が気づかないうちにできていたという場合が多いです。

患者様ご自身は「脂肪の塊」として認識していらっしゃる場合が非常に多いですが、実際にはそうではなく内部にたまっているのは角質(皮膚の垢)で、脂肪腫とはまた別物です。時に感染を起こして赤く腫れあがることがあります。痛みを伴いますので、ご来院されるきっかけとなることが多いようです。

どんな治療を行うの?

感染を起こして炎症が強い場合(赤く腫れあがり痛い状態)は、排膿の処置を行い抗生剤の内服を処方いたします。基本的には付け替えの通院がしばらく必要となります。

粉瘤は、皮膚の内部に袋がある状態ですので、この袋を取り除かない限りには感染による炎症を繰り返す可能性があります。
つまり、根治のためには袋ごと取り出す手術を行う必要があるのです。

ただ手術を行う場合、傷跡のご心配があるかと思います。
当院では、可能な限り「くりぬき法」で手術を行うことにより、なるべく早く、そして傷跡が目立たないように配慮いたしております。

どの治療法が選択できるか、通院期間、治療費用(保険適応)は粉瘤の大きさや場所、診察時の状態にもよりますので、まずはご来院の上ご相談ください。

手術の流れ(くりぬき法の場合) ※予約制

  • 1.マーキングを行います
  • 2.局所麻酔の注射(術中の痛みは基本的にこの時だけです)
  • 3.メスで粉瘤の中心に穴をあけます
  • 4.内容物を押し出します
  • 5.粉瘤の被膜(袋)を取り出します
  • 6.取り残しがないことをよく確認して、洗浄します
  • 7.そのまま開放創とし、ガーゼで覆い手術終了です
  • 8.ご自宅での注意点などをご説明いたします

手術の流れ(縫合の場合) ※予約制

  • 1.マーキングを行います
  • 2.局所麻酔の注射(術中の痛みは基本的にこの時だけです)
  • 3.粉瘤のしこりを取り出します
  • 4.傷の縫合を行い、ガーゼで覆い手術終了です
  • 5.ご自宅での注意点などを説明いたします
  • 6.翌日受診してください
  • 7.1~2週間後に抜糸予定です

処置の流れ(感染時の切開法の場合)
※予約なし

  • 1.局所麻酔の注射
  • 2.腫れている所をメスで切開します
  • 3.内容物(膿みやアカ)を押し出します
  • 4.必要に応じてガーゼをつめこみ、上からもガーゼで覆います
  • 5.翌日にも受診が必要です

ご案内

保険診療は予約不要です。

文責:ケーズ皮膚科 美容皮膚科
小倉魚町院 院長 森永萌美